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『人魚の肉』木下昌輝 感想
人魚ノ肉 (文春e-book)
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文藝春秋 (2015-07-10)
売り上げランキング: 85,745

幕末を舞台に活躍した歴史上の人物が
不死の妙薬といわれる人魚の肉を食したことによって
数々の怪異に巻き込まれていく歴史ホラー小説。
どの話も定番の逸話をホラーネタと結び付けることで
一風変わった読み味を感じさせてくれます。

個人的に好きなのは沼尻小文吾と斎藤一の話ですね。
沼尻小文吾の横向き小文吾というちょっと間抜けな逸話を
横に何かがいるというホラー的な介錯に落としたのは上手い。
かつて介錯に失敗したという心残りを近藤勇の亡霊を
介錯することで晴らすという流れも美しいです。

斎藤一の方は数々の偽名を名乗ったというエピソードを
ドッペルゲンガーとして介錯しているのがこれまた上手い。
違う名前の自分が次から次へと現れるというのは
ホラーではよくある話ですが、この不可思議な状況で
嬉々として自分に勝負を挑むというのが剣鬼・斎藤一。
彼が自分らしさを貫いているおかげでホラーにもかかわらず
読後は痛快さが残るという面白い話になっています。

他にも死の瞬間を繰り返す坂本龍馬や
吸血鬼と化す沖田総司など、ホラーとしての怖さを持ちつつ
それ以上にワクワクさせるような話がてんこ盛り。
歴史とホラーが好きな人にはたまらない作品だと思います。

テーマ:読書感想 - ジャンル:小説・文学

『9-nine-ここのつここのかここのいろ』Episode1 感想
公式はこちら。
9-nine-ここのつここのかここのいろ
ぱれっとの最新作にして分割作品の1本目でもある
『9-nine-ここのつここのかここのいろ』の感想です。

…うーむ、すっきりしない。
分割作品なので分かっていたことですけど、
謎は残りまくりですしなかなかの後味の悪さでした。
1ルート目として考えてもちょっと物足りないなー。

今回の作品は1周目で強制バッドエンドルートに入った後に
都ルートがオープンするという仕組みなのですが、
この都ルートの結末がイマイチでした。
一応、都と恋人関係になって最悪の結末は回避したのですが、
敵の正体や異世界の謎はほとんど明かされないですし、
いくらなんでもネタを温存させ過ぎな気がします。
バトル物でも最初のルートでは仮ボス的存在がいますけど、
この作品ではそういう存在がいないので全く盛り上がりません。
ここまで盛り上がらないと先も気にならないので本末転倒。
分割の悪い面がモロに出てしまった気がします。

ヒロインの都自身は可愛かったのですが、
上記の通りシナリオに恵まれなかったのが勿体無い。
一番盛り上がったのはお互いが告白するシーンですが、
謎解きがメインのゲームでそれはどうなのかと。
都ももう少し黒いところがあるかと思っていたんですけど、
結局能力の割にはいい子のまま終わっちゃいましたし、
なんだか終始淡々と進んで終わってしまいました。
能力を研究する場面など面白い部分もあったものの、
小ネタレベルの面白さで終わってしまったのが残念でした。


まとめ。
物足りなかったです。
ヒロインである都との仲は丁寧に進めているものの、
肝心の能力関連がほとんど進んでいないので後味が悪い。
最後にもう一戦あるだけでだいぶ変わったと思うのですが。
もしくは2ルートごとの上下編分割にして
もう少し謎解きしてくれれば良かったかもしれません。

正直、今回は期待に届かない出来だったのですが、
キャラは可愛かったことと単価が安いこともあって
他に候補がない月だと続編にも手を出してしまいそうです。
…メーカーの思惑通りなのかもしれませんけどね。

テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

『初情スプリンクル』体験版 感想
公式はこちら

Whirlpoolの最新作である
『初情スプリンクル』を体験してみました。

話の設定的としては、一般人である主人公が
魔法関連のゴタゴタ巻き込まれていくというよくあるもの。
主人公がスケベだったり、能力が淫魔関連のものだったりと
序盤からエロシチュが多めなのが特徴でしょうか。
強制発情シチュが多そうなのは少し好みが分かれるかな。
個人的にはいきなり発情させるよりもじわじわ高める方が好き。

テキストのノリはいつもの近江谷さんという感じで、
ヒロインとの軽快なボケツッコミが楽しめます。
まあこの方のテキストとは非常に相性がいいものの、
ストーリーの方は後半でズコーッとなるのがお約束ですが…。
しかし体験版では花房姉の雑な行動が気になりました。
このままトラブルを撒き散らすようだとヘイトを集めそう。

ヒロインに関しては今のところ小春姉一強ですね。
ぐいぐい甘やかしてくる姉というのは珍しくないですが、
それでもしっかり見せれば可愛いので問題なし。
毎日ご飯作ってくれるのにメニューが雑なのは面白いですね。
こういうアンバランスなキャラ付けって結構好きです。

羽月は典型的なチョロインですがちょくちょく入れてくる
ジャンプネタが微妙にツボなので好印象です。
みおは出番が多い割には立ち回りがサブキャラっぽい。
雫はクール系ですけど主人公への好感度が溢れてていいですね。
ただ個別でもラーメンネタばっかりだと見せ方によっては
ひたすらつまらなくなりそうな不安はあります。


まとめ。
キャラは可愛いですしテキストも好みなのですが、
それ以外で微妙に引っかかる部分も多いという
良くも悪くもいつものWhirlpoolという感じの作品でした。
なんとなーくプレイ後の感想まで予想できてしまうのは
これまで何度も味わってきた経験から来るものか。
ただ、今回は小春お姉ちゃんがかなり可愛かったので
発売時に姉が欲しければ優先度が高くなる可能性はあります。

とりあえずは他の7月勢の体験版待ちですかね。

テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

2017年4月28日のお買い物
今月の獲物はこちら。
9-nine-ここのつここのかここのいろ
ぱれっとの最新作にして分割作品の1本目でもある
『9-nine-ここのつここのかここのいろ』をゲットしました。

まず驚いたのがパッケージの薄さですね。
しかし触ったり開けたりした質感はいい感じですし、
ディスクの出し入れもしやすいので個人的には好印象。
4本集めるとエロゲ1本分ぐらいのサイズになるのかな。
ただ、背表紙にはタイトルしか書かれていないので
続編との区別が付きにくそうなのは心配ではありますが。

グリザイアにも手を出そうか迷ったのですが、
DLカード形式と聞いて今回はひとまず回避。
折角買うのならディスクからインストールする
ワクワク感も楽しみたいというオタク特有のアレです。
まあ今後はDLカード形式が主流になっていくのかもですが、
まだしばらくはディスクからのインストールを楽しみたい。

しかし問題は5月ですよ。
ニュー林とエウ新作は体験版の感触が良かったですし、
まだいくつか気になる存在があることを考えると
久し振りに悩ましい月になりそうです。
3月4月にいくつか出てくれれば助かったんですけどね…。

テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

『ブレイン・ドレイン』関俊介 感想
ブレイン・ドレイン
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関 俊介
光文社
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テストによってサイコパスが隔離されるようになった世界で、
サイコパス判定試験に引っかかってしまった主人公が
なんとか真っ当な世界へ帰ろうと足掻くSFアクション小説。

前半の舞台である危険人物だけが隔離された島の
スラムっぷりはなかなか緊張感があって面白いですね。
単純に治安が悪化してモヒカンが徘徊しているような
世界観は近未来SFではよくありますけど、
一つの島がサイコパスの溜まり場というのは珍しいかも。

ラスボスもザ・サイコパスって感じで良かったですね。
人を騙して傷付けることを心底楽しんでるのが
伝わってきましたし、それでいて狡猾さも持っているので
絶対に出会いたくないタイプと言えるでしょう。

ただ、主人公は物足りなかったです。
お人好しで実に主人公らしいタイプではあるのですが、
設定で精神異常を扱っている割には普通過ぎでした。
殺意を読むという能力の使い方は面白かったですけどね。
どうせなら主人公もサイコパスか、サイコパスほどでなくても
性格的に何らかの異常なところがある人物だったら
もっと深い作品になったような気がします。

本作のサイコパス判定試験は結果的に穴があったわけですが、
近い未来、脳の仕組みが解明されれば判定は可能でしょう。
しかしいざ可能になったときどう対応するかについては
今から考えておいた方がいいのかもしれませんね。

テーマ:読書記録 - ジャンル:小説・文学