2012/11/08

『J』五條瑛 感想

JJ
(2007/03)
五條 瑛

商品詳細を見る

シンプルな装丁が目を引く一冊。
内容的には五條さんの得意分野である
アジアンテロリスト物になっています。

Jと名乗る女性にテロリスト候補として
スカウトされた少年・秋生は彼女に
惹かれながらも結局は誘いを拒絶し、
自分で見つけたキックボクシングという
夢に向かって邁進していくことに。

一方、同じくJにスカウトされた
元サラリーマン・時津はつまらない
日常から逃れるために誘いを受け入れ、
テロリストもどきとして動き出します。
この人は洗脳されやすさがなんとも。

両者ともに現状を打破するために
自分を鍛える点は変わりないのですが、
思考の健全さや結末が正反対で面白い。
まともに生きるべき、という真っ当な
主張が分かりやすく表現されています。

惜しむらくは対照的な二人が最後まで
絡まず別々に決着してしまったこと。
アイドルのくだりをシンプルにして
この二人を絡ませた方が作品としては
綺麗に纏まったような気がしますね。
Jの扱いも投げっぱなし過ぎるかな。
読んでいる間は面白いんですけど
読後に少し引っかかりのある小説でした。

コメント

非公開コメント