2012/09/21

『クリーピー』前川裕 感想

日本ミステリー文学大賞新人賞 受賞作 クリーピー日本ミステリー文学大賞新人賞 受賞作 クリーピー
(2012/02/18)
前川 裕

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タイトルのcreepyとは身の毛のよだつような、
気味の悪い、というような意味があるとか。
その名に恥じぬ気持ち悪さのある小説です。

犯罪心理学の教授である主人公のもとに
高校時代の同級生である刑事が訪れ、
それが引き鉄であったように主人公の周りで
次々と異様な出来事が…というサスペンス。

隣人がいつの間にか入れ替わっていたら…
という異様な状況を題材にしているのですが、
主人公が犯罪心理のプロだけあって
冷静に対応しているので読みやすいです。
それだけに冷静な主人公すら手玉に取る
犯人のずる賢さも際立って見えるのですが。

家庭内からのマインドコントロールなどは
たまに新聞でも事件になっていますけど、
こうして改めて小説として読むとヤバイ。
最初に阻止しないとズルズル完全犯罪まで
流れていってしまう恐怖感があります。

オチに関しても上手く捻ってあったかと。
特に最後の一文は見事に決まっていました。
皮肉が利いていてそれでいて美しい結末。
この読後感、堪らないです。

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