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『新小岩パラダイス』又井健太 感想
新小岩パラダイス新小岩パラダイス
(2011/10/04)
又井 健太

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女に貯金を持ち逃げされて無一文になった主人公が
とあるゲストハウスのお世話になることになり、
金はないけどフリーダムに生きる人たちに囲まれ
少しずつ影響されていくというああもうなんだこれ
羨ましいなぁという感想を持ってしまう一冊。

作中での登場人物はおっさんおばさんに
片足突っ込んでるような年代ばかりなんですけど
それでも全力で青春しているのが見てて気持ちいい。
そんな中で夢か金かを選び切れない主人公は
ついつい詐欺の片棒を担いだりしちゃいますけど
なんだかんだで根はいい奴なので嫌いになれません。
このままちまちま真面目に仕事して終わるのか…
という焦りには共感できる部分もありますしね。

世の中金じゃないよ。
いややっぱ金だよ。
いやいや金じゃないよ。
というループには実に人間らしさを感じる。
夢で金儲けできれば最高なんですけど世の中には
そんな優秀な人間がほとんどいないのもまた事実。
しかしこの議論にお約束の善悪を持ち込まないで
両方受け入れるようなオチにしたのは上手い。
主人公の親友も実に美味しい立ち位置でした。

それに対して元カノの方は作者の実体験かと
思うほどの気合の入ったクズ描写ですね。
真面目だった娘がどんどん堕ちていく様子が
哀れを通り越して憎しみになるのが凄いです。
まあ彼女が憎まれ役を引き受けているおかげで
他キャラがよりいい人間に見えるんですけど。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

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