『J.Q.V 人類救済部 ~With love from isotope~』 感想
公式はこちら。

StudioBeastさんのJ.Q.V 人類救済部の感想です。
同人ゲームでありながらシナリオは容量1.2MBで
声ありエロありとなかなか気合の入った作りです。
分岐なしの一本道ではありますが、特定のテーマを
追求するなら一本道の方が相応しい気もします。
人間が自分の存在に疑問を持った瞬間に
人間以外の存在へと「進化」してしまう世界。
残された主人公たちは生き残った人々を救うため
人類救済部を立ち上げますが…というのがあらすじ。
まずこの世界設定が素晴らしい。
人が人以外のモノ(動物や空気)になっているため、
どこへ行っても人っ子一人見かけない空虚な世界。
それでいて人間から進化してしまった動物だけが
ウロウロしていたりするのがまた面白いです。
実際そんな状況に遭遇したら恐いでしょうけど、
一度は覗いてみたい世界でもあります。
作品の構成もなかなか上手い作り。
基本的には主人公、めーたん、ナタ公という
3人で話が進むのですが、その合間でかつて世界に
存在していた人々とのやり取りが回想されるので
実際の登場人物はそこそこ多くなっています。
回想という扱いにすることによって今となっては
その人々がいないことを上手く見せています。
テキストの面白さもこの作品の魅力。
主人公がハイテンションなボケ体質だけあって
最後まで笑いながらプレイすることが出来ました。
このテンションが主人公の大きな個性になっていて
状況がシリアスでもピンチでも全然ブレません。
正直、ここまでギャグを貫けるとかっこいいです。
このあらゆる事態に対してブレない心の強さは
いわゆるヘタレ主人公とは一線を画しています。
そしてそんな主人公へしっかり突っ込むめーたん、
ロリビッチトリックスターであるナタ公という
3人のやり取りも楽しく読むことが出来ました。
笑えるゲーム好きな人ならテキスト分だけでも
買う価値があるレベルじゃないでしょうか。
シナリオは一つのテーマを堀り下げていくタイプ。
主人公視点で人間という存在についてじっくり
深く考えていくことがメインとなっています。
恋愛描写やエロは重要な要素ではあるものの
あくまで人間を構成する一要素という扱いかな。
主人公は口ではギャグばかり言っているものの
行動面ではめちゃくちゃ頑張っているので
プレイしていて素直に応援したくなりますね。
主人公が魅力的なだけで作品が引き締まります。
ただ、終盤は若干思考メインになり過ぎたせいで
私としてはクドく感じてしまう面もありました。
ある意味、SFでは定番とも言える流れなので
考察好きな人には美味しい材料かもしれませんが、
個人的にはもう少し泥臭い方が好きかなぁ。
まあセカイ系を名乗るのに相応しい展開ですけどね。
中盤までのサバイバル+サスペンスな雰囲気には
ぐいぐい引き込まれましたし、あのバランスで
最後まで行ってくれれば私的には神だったかも。
でも人という存在について最後まで真摯に考えた
その姿勢に感動を覚えたのもまた事実です。
音楽関連はいい感じで雰囲気に合っていましたね。
絵については複数原画だけあってバラバラ。
エロゲだとキャラ別で分かれているのですが、
この作品では同じキャラでも色々な原画さんが
書いているのに妙な新鮮さを感じました。
私としてはアクション担当の人の絵が好み。
特にナタ公がいい表情していたと思います。
まとめ。
同人だからこその構成を見事に生かしたSF作品。
エロゲだと値段的にヒロインが複数いないと
とても残念なことになりますが同人プライスなら
一本道でも何の問題もないですし、この作品で
語られる内容は一本道だからこそ出来たもの。
テーマ自体も深くて挑戦的だったと思いますし、
なんだかんだでラストの爽快感は素晴らしかった。
良作をプレイした後特有の虚脱感も味わえましたし
次回も挑戦的な作品を期待したいところです。
ちなみに私の場合、ロミオ作品ではC†Cよりも
家族計画が好きだったりします(謎
以下ネタバレで少しだけ。

StudioBeastさんのJ.Q.V 人類救済部の感想です。
同人ゲームでありながらシナリオは容量1.2MBで
声ありエロありとなかなか気合の入った作りです。
分岐なしの一本道ではありますが、特定のテーマを
追求するなら一本道の方が相応しい気もします。
人間が自分の存在に疑問を持った瞬間に
人間以外の存在へと「進化」してしまう世界。
残された主人公たちは生き残った人々を救うため
人類救済部を立ち上げますが…というのがあらすじ。
まずこの世界設定が素晴らしい。
人が人以外のモノ(動物や空気)になっているため、
どこへ行っても人っ子一人見かけない空虚な世界。
それでいて人間から進化してしまった動物だけが
ウロウロしていたりするのがまた面白いです。
実際そんな状況に遭遇したら恐いでしょうけど、
一度は覗いてみたい世界でもあります。
作品の構成もなかなか上手い作り。
基本的には主人公、めーたん、ナタ公という
3人で話が進むのですが、その合間でかつて世界に
存在していた人々とのやり取りが回想されるので
実際の登場人物はそこそこ多くなっています。
回想という扱いにすることによって今となっては
その人々がいないことを上手く見せています。
テキストの面白さもこの作品の魅力。
主人公がハイテンションなボケ体質だけあって
最後まで笑いながらプレイすることが出来ました。
このテンションが主人公の大きな個性になっていて
状況がシリアスでもピンチでも全然ブレません。
正直、ここまでギャグを貫けるとかっこいいです。
このあらゆる事態に対してブレない心の強さは
いわゆるヘタレ主人公とは一線を画しています。
そしてそんな主人公へしっかり突っ込むめーたん、
ロリビッチトリックスターであるナタ公という
3人のやり取りも楽しく読むことが出来ました。
笑えるゲーム好きな人ならテキスト分だけでも
買う価値があるレベルじゃないでしょうか。
シナリオは一つのテーマを堀り下げていくタイプ。
主人公視点で人間という存在についてじっくり
深く考えていくことがメインとなっています。
恋愛描写やエロは重要な要素ではあるものの
あくまで人間を構成する一要素という扱いかな。
主人公は口ではギャグばかり言っているものの
行動面ではめちゃくちゃ頑張っているので
プレイしていて素直に応援したくなりますね。
主人公が魅力的なだけで作品が引き締まります。
ただ、終盤は若干思考メインになり過ぎたせいで
私としてはクドく感じてしまう面もありました。
ある意味、SFでは定番とも言える流れなので
考察好きな人には美味しい材料かもしれませんが、
個人的にはもう少し泥臭い方が好きかなぁ。
まあセカイ系を名乗るのに相応しい展開ですけどね。
中盤までのサバイバル+サスペンスな雰囲気には
ぐいぐい引き込まれましたし、あのバランスで
最後まで行ってくれれば私的には神だったかも。
でも人という存在について最後まで真摯に考えた
その姿勢に感動を覚えたのもまた事実です。
音楽関連はいい感じで雰囲気に合っていましたね。
絵については複数原画だけあってバラバラ。
エロゲだとキャラ別で分かれているのですが、
この作品では同じキャラでも色々な原画さんが
書いているのに妙な新鮮さを感じました。
私としてはアクション担当の人の絵が好み。
特にナタ公がいい表情していたと思います。
まとめ。
同人だからこその構成を見事に生かしたSF作品。
エロゲだと値段的にヒロインが複数いないと
とても残念なことになりますが同人プライスなら
一本道でも何の問題もないですし、この作品で
語られる内容は一本道だからこそ出来たもの。
テーマ自体も深くて挑戦的だったと思いますし、
なんだかんだでラストの爽快感は素晴らしかった。
良作をプレイした後特有の虚脱感も味わえましたし
次回も挑戦的な作品を期待したいところです。
ちなみに私の場合、ロミオ作品ではC†Cよりも
家族計画が好きだったりします(謎
以下ネタバレで少しだけ。
ナタ公無双キタコレ。
作品のテーマからはちょっと外れるのですが、
正直一番面白かったのはVSナタ公のシーンでした。
戦闘も怖いですけど問答シーンはそれ以上。
あの目を見開いた問い詰め立ち絵が怖いですし、
行動の意味不明さもいい感じで恐怖を煽ります。
双子までは読めてたんですけど双子が死んだ後は
うっかり油断していただけに再登場した際には
画面の前でビクッとしてしまいましたよ。
ホラーちっくな演出も上手い。
体験版時点ではロリビッチとかないわーと
思っていたのですが、今ではお気に入り。
ベッド脇でペットボトル振ってるイベントCGは
似合わない可愛さがあって大好きなのです。
あとループ物じゃなかったのも良かったです。
正直、最初はループすると思っていただけに、
作中でキッパリ否定したのは気持ち良かったです。
前からループ物には思うところがあったのですが
それを見事に代弁してくれた感じですね。
ただ私的には並行世界系もちょっと微妙かも。
これがまったく見たことのない展開だったら
良かったんですけど、そういう展開をそう簡単に
産み出せたら苦労しねぇって感じでもあります。
まあこういう無茶な希望が出てしまうのもそれだけ
レベルの高い作品だったからなんですけどね。
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