2012/05/21

『渇水都市』江上剛 感想

渇水都市渇水都市
(2009/09)
江上 剛

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経済小説のベテランである江上さんによる
ファンタジー小説…といっていいのかなこれは。

水道事業を民間企業が支配するという
シミュレーションはなかなか興味深いですね。
水道事業を維持できなくなった国家の代わりに
民間企業が乗り出し、商売優先である企業は
金持ちだけに水を供給するようになる流れは
ちょっと現実感に乏しいものの、もし実現すれば
恐ろしいことになるという恐怖もあります。

ただ、問題解決の手段をファンタジーへ
持っていったせいで全体としての出来は微妙です。
革命作戦や戦闘シーンなどはやっぱり稚拙。
「水の戦士」とか言われてもいまいち緊張感が…。
キャラクターも多い割には一人一人の個性が薄く、
物語に熱中することが出来ませんでした。
王にしても最後までカリスマなかったですし。
やっぱ経済小説向きかなぁこの作者さんは。
社内闘争ぽいお話した方が良かったかも?

水問題という着眼点は良かったものの、
ファンタジー方向へ進んじゃったのは残念。
でもいかにも慣れないファンタジーを頑張って
書いてる感があるので応援したくなる一冊です。

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