2012/05/12

『弾正の鷹』山本兼一 感想

弾正の鷹 (祥伝社文庫)弾正の鷹 (祥伝社文庫)
(2009/07/24)
山本 兼一

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信長暗殺を狙った人々を主人公にした短編集。

最初に2編は下針、善住坊という鉄砲の名手を
主人公にし、どちらも惚れた女のために
信長を狙うという似たような内容ですね。
ただ、下針の方は惚れられた女視点が多めで
善住坊の方は惚れた善住坊の視点が多めという
対になった内容になっているのが面白い。

「弾正の鷹」は松永弾正が信長暗殺を狙って
鷹匠の女を送り込むという発想が斬新です。
鷹匠がメインという話というだけでも珍しく、
韃靼人との組み合わせも興味を惹かれます。
でも弾正がちょっと小物過ぎたのが残念。

「安土の草」は安土城築城に際し大工として
送り込まれた甲斐の乱波が主人公。
大工としての良いものを作りたいという希望と
乱波として安土城を破壊する任務に挟まれ
苦悩する男の姿がネチネチと描かれています。

「倶尸羅」は暗殺者として信長に近付いた
江口の遊び女が信長に惚れてしまう物語。
今まで誰も好きになったことがない遊び女が
信長に惚れて一度は任務を放棄したものの、
嫉妬心によって再び殺意を持つという流れです。
ただ恋愛メイン過ぎてちょっと女々しいかな。

後ろの作品ほど信長という人物の露出が多く、
その完璧超人っぷりには圧倒されるばかり。
これは1対1の勝負で暗殺者が勝てるはずがない。
やるとしたら光秀のように力押しするしかないと
妙に納得させられてしまう一冊でした。

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