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『華栄の丘』宮城谷昌光 感想
華栄の丘 (文春文庫)華栄の丘 (文春文庫)
(2003/03)
宮城谷 昌光

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今回は宋の名宰相である華元が主人公。
宋や鄭、魯という中堅国家は大国と比べると
どうしても地味な印象を受けてしまいますが、
大国の都合に振り回されつつも何とかして
生き延びようとするその姿には魅力を感じます。

舞台は覇者と謳われた襄公が没した後。
精彩を欠く宋の中でも放置されていた華元は
若き日の文公を諌めたことで逆に信頼され、
一躍、国政のトップまで上り詰めることに。
ここから礼を重視する二人の政治が始まります。
何事も丸く治めようとする華元の政治は時には
優柔不断にも見えますが、この丸さが最後には
晋と楚の講和という偉業を実現させたのでしょう。
何事も貫けるのは偉大だと思います。

面白いのは襄公の嫁さんだった王姫の存在。
この人は文公を当主にするために暗躍したり
華元を見出したりともうホントやりたい放題。
物凄い陰謀家であるものの、全ては国を正しく
導くためであることもあって爽快に思えます。
精力的に動いたのも襄公の愛した礼の国である
宋を守るためだったオチは泣けました。

宋襄の仁の解釈もお見事。
悪い意味で使われることが多い言葉ですが、
この小説では宋という民族の死んでも礼儀を
貫くという正々堂々とした性格と絡めることで
礼を重視した襄公の偉大さを見せています。
他人の目を気にせず礼に従って行動できるのも
一つの強さだと言えるのではないでしょうか。

テーマ:歴史・時代小説 - ジャンル:本・雑誌

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