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『青雲はるかに』宮城谷昌光 感想
青雲はるかに 下巻青雲はるかに 下巻
(2007/03)
宮城谷 昌光

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今回の主人公は遠交近攻で有名な范雎。
魏の宰相である魏斉によって便所に捨てられ、
小便までかけられながら最終的には秦の宰相まで
のし上がり、見事復讐を果たしたその姿には、
同じ男として憧れを抱かずにはいられません。

上司への恨みを決して忘れず、国家規模での復讐劇を
行ったというしつこさには好みが分かれそうですけど、
私的にはこういう泥臭いところも好みだったりします。
かつての上司の一人である須賈を騙すシーンは
この時代でも屈指の爽快感のある場面でしょう。
個人の復讐と秦の強化を同時に行ったのもナイス。
恨みを晴らせて周りから喜ばれるなら文句なしです。
標的にされる方はたまったもんじゃないですが。

有名な白起とのいざこざについては嫉妬云々ではなく
やたらと人を殺しまくる白起を嫌悪したという
解釈をしているのは面白かったと思います。
確かに40万人を殺したと聞いたら嫉妬よりも先に
こいつやべぇって思ってしまうのも無理はない。
敵よりも味方である白起の方が怖いかも。
白起を殺したことは秦にとって大打撃だったのか。
生かして他国で殺しまくらせるのが良かったのか。
なかなか難しいところではあります。

終盤では精彩を欠く面もあった范雎を見ると、
やはり目標でああった魏斉を討った瞬間が
この人の人生としては頂点だったんだと思います。
だからこそ致命的な失態を犯す前に職を辞して
引退したのは見事な判断だったと言うしかない。
秦の宰相にまで出世して自分の復讐を果たし、
自分は討たれる前に引退したその綺麗な生き様は
一つの人生の理想像ではないでしょうか。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

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