2011/09/28

『介子推』宮城谷昌光 感想

介子推 (講談社文庫)介子推 (講談社文庫)
(1998/05/15)
宮城谷 昌光

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春秋五覇の一人である文公(晋)に仕えた
伝説の従者・介子推を主人公にした作品です。

後継者争いを避けて母国・晋を出ていった重耳ですが、
晋からは危険人物とされ常に暗殺者から狙われ続けます。
そんな重耳を得意の棒術で影から守り続けたのが介子推。
重耳が生きて再び晋の土を踏むことが出来たのは
介子推の働きのおかげだったと言えるでしょう。

しかし介子推はこの功をまったく口外しなかったため
重耳を含めてほとんどの人物は気付かないまま。
そして黙っている介子推を他所に他の人物達は功を誇り、
今まで重耳の下で一丸となって尽くしてきた純粋な
忠義は徐々にその姿を変えていくことになります。
数々の危難を打ち払ってきた棒をもってしても国の仕組みや
出世欲という虎はどうすることもできず、最後に棒だけを
置いて去っていく介子推の姿は読んでて非常に切ない。

何かと自己アピールを重視する世の中になっていますが、
上に立つ者はそれに踊らされず真実を見る目を養い、
下から支えるの者はむやみに功を主張せずに
清く正しく生きていきたいところです。
難しいのは分かってますがせめて心掛けだけでもね。

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