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『李巌と李自成』小前亮 感想
李巌と李自成 (講談社文庫)李巌と李自成 (講談社文庫)
(2010/06/15)
小前 亮

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隋唐五代宋元明清とはよく言いますが、
これはあと一歩で明と清に入れた順のお話です。

主人公である李巌は李自成の右腕として活躍し、
新国家順を立ち上げついには明の打倒に成功します。
しかしその後の詰めを誤った結果、最終的には
清に漁夫の利を奪われてしまったのは史実の通り。
短命国家として前から名前だけは知っていたのですが、
改めて本で読んでみるとこっちまで悔しくなります。

この李巌という人物。
最近の研究では架空の人物とされているのですが、
この本ではなかなか生き生きと描かれています。
英雄になりたいのにカリスマが足りず補佐役に徹し、
理想を掲げながらも同士である農民達には理解されず、
最終的には自縄自縛に陥って自滅していくのが実に哀れ。
この報われない鬱屈感はなんとかしてやりたくなります。
姜維伝もそうでしたけど、小前さんはこういう後一歩
足りない秀才を私好みに書いてくれるのがありがたい。

李巌や李自成だけでなく明側や清側についても
結構細かく描写されていて、明から順、そして清へと
時代の流れが移動していくのが分かりやすかったです。
やっぱこういう時代の転換期って凄く面白い。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

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