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『再生の箱』牧野修 感想
再生の箱 トクソウ事件ファイル(2) (講談社ノベルス)再生の箱 トクソウ事件ファイル(2) (講談社ノベルス)
(2010/08/05)
牧野 修

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破滅の箱の続編にして完結編です。
街中に犯罪者が跋扈した「地獄の季節」から2年。
かつての犯罪に対する反省から防犯に取り組み、
今では日本屈指の平和な街に生まれ変わった金敷市。
果たしてかつての狂気は本当になくなってしまったのか。

ちょっと変わった人たちが少しずつ壊れていき
最終的には破滅する様を描いていた破滅の箱に対して、
再生の箱はまともな人たちの正義感の暴走がメインです。
前作と同じく牧野さんの作品にしては精神描写重視。
今回は事の発端が真人間の正義感ということもあってか
狂気の中にも頷ける部分があったりして、読んでいて思わず
そちら側の世界に引き込まれそうな危うさを感じました。
犯罪の撲滅。
そこにあるのは「殺られたら殺り返す」を突き詰めた
「殺られる前に殺れ」という究極の防犯意識。
「殺られる前に殺れ」と書くとやり過ぎに見えますが、
その対象がまったく反省してない殺人者となると
決して間違えた行動とは思えないのが難しいところ。

更にこの本の場合は、「殺られる前に殺れ」という
考えを持った人間までもが、実際の殺人を犯す前に
殺されるというループになっているのが救えない。

最後に残った黒幕は予想通りの人物でしたけど、
電波思想や結末は予想の上を行ってくれたのはグッド。
人と犯罪の関係についてちょっと深く掘り下げつつ
エンタメとしての面白さも兼ね備える良作です。
破滅の箱とセットでどうぞ。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

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