2011/03/16

『焼印なき羊たち』ヒキタクニオ 感想

焼印なき羊たち焼印なき羊たち
(2011/01/28)
ヒキタ クニオ

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社会のはぐれ者である主人公たちがカジノの金庫を破って
現金を強奪し、更にその現金を巡って追う側追われる側が
一進一退の攻防を繰り広げるストレートなクライムノベル。
状況は二転三転するもののそれほど意外な展開はなく、
良くも悪くも読みやすいエンタメに徹しています。
ただ、結末は賛否が分かれるかもしれません。

しかしなんというか、もう一歩欲しかったです。
物語としてしっかり書かれているとは思いますし金庫破りの
計画を立てるシーンなんかは丁寧なんですけど、その反面、
全体的にスピード感に欠けるような印象を受けました。
話の大筋にしても最後以外は読めていましたし。

個人的な好みからするとこういうクライムノベルでは
もう少しキャラが暴走してくれる方が好みかも。
今回の味方キャラはクールであっても冷酷ではないですし
敵キャラは特徴のないギャングだったのは物足りません。
なんだかんだで無難な展開に落ち着いちゃうんですよね。
そのせいか読んでいて馳星周さんとか新堂冬樹さんみたいな
転がり落ちるような疾走感が少なくなっていますし。

それならそれでオチでスカッとできるならいいんですけど、
この本の場合は妙に重い落とし方なのがなんとも。
言いたいことは分からないでもないのですが、
もう少し盛り上がるような形でやって欲しかったです。
それなりに楽しめたものの、不完全燃焼感も強い作品でした。

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