2011/02/24

『ボーダー』垣根涼介 感想

ボーダー―ヒートアイランド〈4〉ボーダー―ヒートアイランド〈4〉
(2010/04)
垣根 涼介

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ヒートアイランドシリーズの4作目。
今回は垣根さんのデビュー作である「午前三時の
ルースター」とのクロスオーバー作品になっています。
特にこの本の後半で「午前三時のルースター」について
重要なネタバレがあるので読む順番にはご注意を。
まあ私自身は「午前」を読んだのが大昔だったので
終盤までクロスしていることに気付かなかったんですが。
作品としては今までのヒートアイランドシリーズとは
少し違った雰囲気になっているので評価が分かれるかも?
私的にはちょっと微妙な方向だなぁ。

これはもうぶっちゃけ好みの問題なんですけど、
今回のヒロイン役であるアキラの性格がアウトでした。
気が強くてちょっと機転が利くからって思い上がった挙句に
余計なことに首を突っ込んで痛い目に会うタイプ。
学園物とかならお仕置きだけで済んでもいいんですが、
命のやり取りが日常なハードボイルドなら痛い目どころか
海に沈めるぐらいやってくれないと凄く甘く感じますね。

もちろんそんなことをすれば後味が悪くなりますけど、
このシリーズの場合は柿沢達がそういう事態を上手く
避けて行動するところこそが最大の魅力だった気がします。
今回は中西の機転がなければ二人を殺していたでしょうし、
そういう事態まで追い込まれたというのがガッカリでした。

カオルの再登場の仕方にしても拍子抜け。
あっさり東大生になったという設定だけは凄いものの、
日常に退屈感を覚えて腐っているところなんかは
そこらの凡人と大差ないメンタルレベルに見えます。
凡人が悪いというわけでなく、凡人と違うということを
強調しながら精神面では凡人というのが物足りない。

敵側にしてもチンピラに毛が生えた程度ですし、
中西の過去語りがメインというのがスッキリできません。
いつもなら物語後半では疾走感や緊迫感がどんどん
上がっていって夢中になれるのですが、今回は最後まで
淡々と読んでいるうちに終わってしまった感じでした。

今回は学生の出番を増やしてしまったせいで
中途半端なライトノベルになってしまった印象です。
次回はいつものスピードを取り戻して欲しいところ。

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Re: タイトルなし

いらっしゃいませ~。
トラックバックありがとうございます。
こちらからも返信させていただきました。
また同じ本をネタにすることがあった際にはよろしくお願いします。

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「ボーダー」垣根涼介

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