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2020/04/02

『刑罰0号』西條奈加 感想

刑罰0号 (文芸書)
刑罰0号 (文芸書)
posted with amachazl at 2020.04.02
奈加, 西條
徳間書店 (2016-08-12)
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人間の記憶を他人に転写するシステムを題材にしたSF小説。

記憶転写という題材はシンプルなのですが、
犯罪被害者の記憶を加害者に転写して苦しみを実感させ
反省を促すという使い方は面白かったですね。
こういう刑罰的な方向から話を作っているのは珍しい気が。
他人に記憶を上書きすることで永遠に生きるという
使い方もネタにしていましたが、こっちの方が定番かも。

しかし刑罰というお堅い話の方向から出発したのに
最終的には世界の危機レベル話になったのは驚きでした。
エンタメとしてはどんどん大きくなる話に
ワクワクさせられた面もあるのですが、
前半のお堅い雰囲気からすると後半とのズレは
ちょっと迷走したような印象を受けましたね。
いや、分かった上で最初から読むと記憶をテーマとして
一貫してるんですけど、初見で序盤を読んだ際には
「自我とは何か」を掘り下げるかと思ったので。

まあそんな個人的な読み違えはあったものの、
記憶をテーマにしたSFとしては纏まっていたと思います。

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