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2020/03/16

『ニセモノの妻』三崎亜記 感想

ニセモノの妻
ニセモノの妻
posted with amazlet at 20.03.16
三崎 亜記
新潮社
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ちょっと不思議なシチュを扱った短編集。

一本目は、とあるマンションに引っ越してきた夫婦の話。
ふと夜に散歩に出かけてマンションの方を振り返ってみると
自分の部屋の明かりしかないというシチュはゾっとします。
更にマンション建設反対の旗が立ちまくっているのに
妙に優しい先住民や、自分一人しかいない住民集会など、
とにかく奇妙で居心地の悪い展開が続いていきます。
ラストも非常にモヤッとした終わり方なのですが、
これも恐らく作者の狙い通りなんでしょうね。

他にも妻のドッペルゲンガーと暮らす話、
坂道愛好家と階段愛好家の激しい戦いの話、
妻の生きている時間軸がおかしくなってしまう話と、
世にも奇妙な物語チックな話が多くなっていますが、
ドッペルゲンガーの話は偽物ネタでは定番の展開なので
オチにもう一捻り欲しかったところです。
逆に坂道愛好家の話は、変な設定の割には
スッキリ終わっていていい意味で裏切られました。

妻との時間軸がズレる話は設定は面白かったんですけど、
妻とのイチャイチャ描写がちょっと気持ち悪かったなぁ。
大人がおままごとプレイしている感じなのが辛い。
割と切ないお話なのでイチャイチャ描写も
しっとりとした感じにした方が合ったような気がします。

そんな感じで多少引っかかる部分もあったのですが、
ちょっと不思議な話を読みたいときにはちょうどいい感じ。
後味もモヤッとした不確かさは残るものの、
悪いというほどでもないので構えずに読めますね。

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