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2020/02/13

『西郷の首』伊東潤 感想

西郷の首
西郷の首
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伊東 潤
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西郷隆盛の首を発見した千田登文と
大久保利通暗殺の主犯である島田一郎の物語。

加賀藩といえば明治維新では地味な存在ですが、
そんな加賀藩で親友として育った二人の視点から
明治維新を描いていくという発想は面白い。
幕末屈指の大藩でありながら混迷する状況への対処が遅れ
存在感を出せない歯がゆさがしっかり描かれています。

こういう、幕府が勝つと思ってたらあれよあれよという間に
薩長の方に流れが行ってしまう展開を見ていると、
もし慶喜が腰を据えて徹底抗戦を選んでいたら
どうなっていたかという妄想をしてしまいますね。
幕府が勝つ展開もあったのか、それとも日本を二分する
内戦状態が何年も続くことになったのか…。

しかし大久保暗殺の動機は共感できなかったですね。
特権が剥奪され生活できなくなる士族たちのためという
島田一郎の考えは理解できなくもないのですが、
あくまで士族の特権を取り戻すという
凄く狭い視点に囚われたまま暗殺を行った印象。
そういうこともあって爽快感のある話ではなかったです。
普通なら自分の分をわきまえてる千田登文よりも
国を変えようとする島田一郎の方が好みなはずなんですけど
島田一郎の主張が薄っぺら過ぎたのが原因かな。

ともあれ、加賀藩という珍しい視点で
維新の物語を味わうことが出来たのはいい経験でした。
確かに大藩故に人材の宝庫だったかもしれませんが、
それでも薩長の後塵を拝したところを見ると
やっぱり突破力のある人材は大切だと思います。

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