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2020/02/06

『決戦! 広島城 天下大乱の火種を消すべし』松永弘高 感想

決戦!  広島城 天下大乱の火種を消すべし
松永 弘高
朝日新聞出版
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江戸時代初期の大事件である福島家改易事件の物語。

大事件とはいえ実際に戦になったわけでもないですし
どうしても地味な印象が印象があったのですが、
この本ではそんな事件を当事者視点から描くことで
なかなか緊迫感のある物語として仕上げています。

原因となったのが福島正則の慢心という点は
これまでよく言われているのと同じですね。
ただ、正則視点からしてみれば、自分の今までの功績と
徳川秀忠の実績を比べて傲慢になるのも分かります。
戦国時代の生き抜いた他の大名たちにしても
幕府の家臣という実感は薄かったでしょうしね。

幕府側と福島家家臣の交渉描写も面白かったです。
幕府はまだ出来たばかりで、少しでも折れると
諸大名から舐められると思い込んでいる幕府上層部。
一方で主である正則がいない間にやすやすと城を渡せば
日本中からの笑いものになると意地を張る福島家家臣。
一歩間違えれば全面戦争という状況の中、
最前線で交渉する人々はいかに無血開城をまとめたか。

歴史上では福島正則が改易されたという
一文で終わる事件ですが、幕府、福島家家臣、
更に将軍秀忠、福島正則がどんな気持ちで選択したか、
丁寧に描写されている作品だったと思います。

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