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2020/01/19

『罠に落ちろ』藤田宜永 感想

罠に落ちろ: 影の探偵’87 (文芸書)
藤田 宜永
徳間書店
売り上げランキング: 859,511

社会の影に生きる探偵・影乃が活躍するハードボイルド小説。

依頼人の父親の死体を発見した影乃が
死因を調査していくうちに大掛かりな経済犯罪に
首を突っ込むことになるというのが話の大筋ですが、
この作品で面白いのは影乃の太々しいキャラクターですね。
悪徳警官やヤクザが出てきてもまったく動じない。
戦場帰りの元ゲリラという設定のせいか、
どこか命の危機を楽しんでるところがありますね。

この作品では様々なワルが出てきますが
その中で一番ワルなのは多分影乃なんですよね。
本人の戦闘力も高いのですが、一番の武器は悪知恵でしょう。
仲間は裏切らないし義理も大事にするのですが、
悪人に対してはこちらが引くほど手段を選びません。
しかも一流の戦闘能力を持ちながら肝心なところでは
自分の手を汚さず漁夫の利を得るところがずるい。
ただ、一度刑務所に入ってうんざりした経験から
出来るだけ安全策を取るという方針は
影乃の強かさを強調出来ているので悪くないです。

タフで男らしい探偵は色々見てきましたが、
こういった悪知恵をメインにするタイプは少ないかも。
肉体だけでなく精神面でもタフな探偵が見たい人なら
楽しめる作品になっているかと思われます。

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