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2020/01/07

『室町無頼』垣根涼介 感想

室町無頼(下) (新潮文庫)
垣根 涼介
新潮社 (2019-01-27)
売り上げランキング: 37,734

応仁の乱直前、混沌の気配のある京都を描いた物語。

話の筋としては、親を亡くした少年・才蔵が
蓮田兵衛、骨皮道賢といった曲者と出会ったことで
一人の男として成長していくというもの。
骨皮道賢は応仁の乱に絡んでくるのでそこそこ有名ですが、
蓮田兵衛についてはまったく知らなかったです。

応仁の乱直前に起こったただの土一揆に
焦点を当てて一作書くという発想は大正解ですね。
歴史小説ではお題が被っているものが多いのですが、
こういったネタで書いた作品は初めて読みました。
同じ人物を別の方向から掘り下げる作品もいいですが、
ネタ自体が新鮮だとインパクトがあります。

後の下剋上の時代のための捨て石覚悟で挙兵する
蓮田兵衛もいいですが、弱体化した守護大名に
とって代わろうと暗躍する骨皮道賢も面白い。
史実で書かれている骨皮道賢の末路は哀れですが、
彼が何を考えてああいう行動を選んだのかという
肉付けのおかげで感情移入できる人物になっています、

最近室町時代を扱った作品は増えてきましたけど、
まだまだマイナーな出来事への掘り下げは少ないので
今後はこういった作品が増えることに期待したいですね。

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