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2019/11/26

『政宗の遺言』岩井三四二 感想

政宗の遺言
政宗の遺言
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岩井三四二
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伊達政宗といえば独眼竜として名高く、
彼を主役にした歴史小説も数多く書かれています。
この小説も彼の歴史を辿った小説の一つかと思いきや、
そこは岩井三四二さん、凝った仕掛けが施されていました。

舞台は江戸時代初期。
当時としては長寿な政宗もいよいよ死が近付き、
政宗に仕える小姓の視点から政宗のこれまでの生き様を
辿っていくという形で物語は進んでいきます。

一応、政宗の生涯を描くという形ではあるのですが、
それと並行して仙台藩謀反の真相を掴むという
話も進んでいくのが面白いところですね。
伊達政宗という人物のイメージからすると
あってもおかしくないと思わされるのが絶妙です。

しかし最後まで読んでみるとそういったイメージ自体を
逆手にとって構成された作品であることが判明します。
政宗の最後の一言は情けないと思う反面、
そんな情けない本心を隠して油断できない戦国大名という
イメージを作り上げたその生き様は天晴というしかない
最後に落とすことで人としての魅力を上げるという
見事な人物描写を見せていただきました。
新しい伊達政宗像を見たい人にはオススメの作品です。

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