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2019/09/16

『コンタミ 科学汚染』伊与原新 感想

コンタミ 科学汚染
コンタミ 科学汚染
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伊与原 新
講談社
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疑似科学を扱ったサイエンスサスペンス。

基本的には科学者サイドから見た
疑似科学の怪しさについて描写しているのですが、
一方で疑似科学を信じる人間の心情にも切り込んでいます。
万病に効く水みたいなのは誰が見ても怪しいですが、
肌が綺麗になるとか痩せるとかになると
騙されてもいいから試してみようとなりやすいです。

また、科学者から科学的に説明されると
バカにされていると感じてしまってかえって頑なに
疑似科学を信じてしまうという感情も分からなくもない。
こういうのを防ぐには日本人全体の
科学知識を底上げするしかないのかもしれませんが、
これもまたなかなか難しそうなんですよね…。

科学的な立場から疑似科学を責める科学者にしても
感情で動く人間であることに違いはないですし、
同じく感情で疑似科学を信じる人間に対しては
決定打を持てないというのがなんともやるせない。
実際、科学によって救いのなさを知るのと
疑似科学を信じて幸福でいるのとでは
後者の方が幸せというのを否定する術はないですし。

科学小説ではあるのですが、
人は結局信じようとするものしか信じないし、
それを否定されるとより頑なになってしまうという
現代の生きにくさを改めて見せつけられるお話でした。

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