FC2ブログ
2019/08/08

『レッドリスト』安生正 感想

レッドリスト
レッドリスト
posted with amazlet at 19.08.07
安生 正
幻冬舎 (2018-02-22)
売り上げランキング: 122,869

人類のすぐ側に潜む絶滅の危機を描いたパニック小説。

安生さんの作品と言えば修羅場パートと
調査パートを繰り返して緊張感を保ったまま
少しずつ真相に近付いていくのが基本的な流れですが、
その構成はこの作品でも踏襲されています。

事の発端は東京で起こった集団感染。
まず最初に集団感染の病院の修羅場っぷりを見せて
ヤバイ事態が起こっていることを描写し、
頼りない厚労省官僚や娘を持つ母である感染症博士、
進化論に執着する頭のおかしい教授が
事態を調査することになるというのが前半の展開。

調査の最中もちょくちょく死人が出るうえに
その死に方が変化しているのはとても不気味です。
ヒルやネズミといったフェイク要因を見せてから
本命である蝙蝠に辿り着くという流れも興味深い。
ヒルにしろネズミにしろ的外れではなく、
本命である蝙蝠への手がかりになっているのが上手い。

ラストにしても、進化した蝙蝠が人間によって
止められるのではなく、より大きな自然によって
止められるというオチなのが良かったですね。
そして人類が助かったと思いきや、
新たな脅威の出現をほのめかして終わるというのも
この手の作品のお約束をしっかり踏んできます。

全編に渡って疾走感と緊張感があり、
読み終わった後は出来のいいB級映画を見たような
爽快感が得られる作品でした。

コメント

非公開コメント