FC2ブログ
2019/05/24

『墨龍賦』葉室麟 感想

墨龍賦(ぼくりゅうふ)
墨龍賦(ぼくりゅうふ)
posted with amazlet at 19.05.23
葉室 麟
PHP研究所
売り上げランキング: 227,230

戦国末期の絵師である海北友松の物語。

海北友松といえば切っても切れないのが狩野永徳。
つい最近、谷津矢車さんの狩野永徳の物語を
読んだこともあってどうしても比べてしまうのですが、
個人的な好みとしては谷津さんの作品の方が好きですね。

谷津さんの永徳がひたすら自らの絵と戦い、
絵師という存在を掘り下げていったのに対して、
葉室さんの友松は武士としての在り方や信長の陰謀に
大きくページを割いているので、
友松の絵師としての成長があっさり気味なんですよね。

もっともここら辺は好みの問題でもあって、
歴史小説的なギミックに重点を置いている葉室さんか、
ひたすら人物を掘り下げている谷津さんか、
どちらが好みなのかは人それぞれって感じですが。

ただ、友松の対になる人物として安国寺恵瓊を
持ってきたのは面白かったですね。
同じ僧でありながら武士として美しく生きることに
憧れる友松と、外交僧としての弁舌に重きを置く恵瓊。
お互いの目指すものは違えどどこか気の合う二人が、
最後に絵を通じて分かり合う展開は良かったです。

コメント

非公開コメント