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2019/05/17

『老侍』吉川永青 感想

老侍
老侍
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吉川 永青
講談社
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老いてなお盛んな老武将たちを扱った短編集。

朝倉宗滴、武田信虎は他の作者でも読みましたし、
宇佐美定満、島左近は決戦シリーズで読みましたが、
龍造寺家兼、長野業正が主人公の話は初めて読むかも。

龍造寺家兼、朝倉宗滴はまさに老いてなお壮んという印象。
どちらもやるだけやって満足死ぬという感じで、
こういう生き方には憧れてしまいます。
爺になっても心は若く持ちたい。

長野業正、宇佐美定満は上の二人と比べると真面目ですが、
それでもやるだけやって死んだことには違いない。
特に長野業正はほとんど知らなかったので新鮮でした。
こういう出会いがまだまだあるから戦国時代は面白い。

今回の短編で異質なのが武田信虎。
この男だけは思いっきり悔いを残して死んでいますが、
まあこの男の場合はよっぽど大成しない限り
満足しないでしょうし、この末路もだとうかなと。
ただその分意外性には欠ける話という印象です。

ラストの島左近の話は三成との友情物。
三成が処刑される前に柿を断った理由が
左近から絶対諦めるなと言われたからというように
繋げたのはちょっと感動してしまいました。
こういう一捻りした解釈は歴史小説の醍醐味ですね。
敗れたとはいえ、清々しさの残る後味でした。

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