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2018/09/30

『ししりばの家』澤村伊智 感想

ししりばの家
ししりばの家
posted with amazlet at 18.09.30
澤村伊智
KADOKAWA (2017-06-29)
売り上げランキング: 24,364

家に取り憑いた何かが襲ってくるホラー小説。
シリーズ物ではありますが、この本から読んでも問題なし。

1章は短編ホラー小説としても読めそうな出来ですね。
終わった…と思ったら実は本当に怖いのは…
という最後のどんでん返しが綺麗に決まっています。

かつて怪異に遭遇した引きこもりの青年と
運悪くこの家に踏み込んでしまった若妻という
二者の視点で進む構成も上手く機能していました。
青年側は家の外から秘密を探る謎解きがメインで
若妻は家の中で追い詰められるホラーがメイン。
視点が一つだけだとその人物が生き残るか死ぬかですが、
視点が二つだと片方が生き残る可能性が出てくるので
より先が読めなくなってワクワクさせられました。

家に憑いた何かというネタはホラーではよく見ますが、
元は守護霊だったものが空襲の衝撃でエラーを起こして
悪霊化するという発想は他ではなさそう。
ちょっとバカミスに近いノリではありますが、
個人的にはこういう発想は面白くて好きですよ。

ラストも1章と同じく終わったと思わせておいて実は…
という展開ですが、より捻った形で着地しています。
果たして怖いのは怪異なのか、それとも人間なのか…。
後味の悪さは残るものの、爽快感一色の結末よりは
ホラー小説に相応しいと言えるかもしれません。
「ぼぎわん」に続いて今作も堪能させていただきました。

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