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2018/08/03

『亡霊の柩』吉田恭教 感想

亡霊の柩 (本格ミステリー・ワールド・スペシャル)
吉田恭教
南雲堂 (2018-03-14)
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探偵と警察の両視点から捜査に挑むミステリー小説。

このシリーズの特徴といえば探偵と警察二つの視点の他に
ホラーめいた状況による不気味さがあるのですが、
今回はホラー要素が薄めに感じられました。
タイトルが一番のホラー要素かな。

そのせいで全体の印象も薄く感じられたのですが、
二転三転する話の作りは健在なので面白いのは確か。
銃殺された暴力団員、行方不明になった元孤児、
結婚直前にホテルで刺殺された男性など、
一見関係ない死体がゴロゴロ出てきた末に
それらの意味が繋がっていく構成は熟練の域でしょう。

今回のトリックの一つはミステリーでは定番の
消える凶器ネタですが、こういう使い方は始めて見たかも。
古典的なネタでもまだまだ使えるんだと感心しましたよ。

いつものホラー要素がなかったのは残念ではあるものの、
隠された人間関係やトリックを重視した古典的な作りは
むしろ正統派ミステリーといっていいかもしれません。
今回も楽しませて頂きました。

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