2018/07/01

『賤ヶ岳の鬼』吉川永青 感想

賤ヶ岳の鬼
賤ヶ岳の鬼
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吉川 永青
中央公論新社
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信長没後、秀吉の天下を決定付けた賤ヶ岳の戦いを
佐久間盛政視点から描写した歴史小説。

物語は信長が討たれてから盛政が斬首されるまで。
秀吉、勝家の双方が信長死後の主導権を握るために
あの手この手で駆け引きするのは面白いですし、
結果的に戦闘が発生する流れも分かりやすかったです。

ただ、駆け引き面では終始秀吉が優勢ですし、
戦闘にしても盛政が一瞬秀吉をヒヤリとさせるものの、
盛政の失策が原因で勝家側が敗北するのは史実と同じ。
まあ大敗したのは前田利家の逃走も原因ですが…。
タイトルの割には盛政があまり活躍していないので
読後のスッキリ感は少なかったですね。
どちらかといえば秀吉の傑物ぶりが目立っていました。

賤ヶ岳の戦いだけで長編を作る難しさを実感する作品。
そこそこ面白いのは確かですが、それは史実のおかげで、
歴史小説としてのプラスアルファが少なかったです。
小説なんだからもう少し冒険して欲しかったところ。
賤ヶ岳ネタは伊東潤さんもいくつか書かれていますが、
切れ味のいい短編向きなネタなのかもしれません。

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