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2018/06/03

『三人孫市』谷津矢車 感想

三人孫市
三人孫市
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谷津 矢車
中央公論新社
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戦国時代の鉄砲大将として名高い雑賀孫市の物語。

雑賀孫市はその有名度の割には足跡が不明瞭ですが、
この物語の「雑賀孫市」は鈴木家の父と3人の子たちが
それぞれ名乗っていたという形を取っています。

物語の筋は知略に優れた長兄、武勇に優れた次兄、
そして鉄砲撃ちの才能に優れた末弟が
最初は協力して鈴木家を盛り立てていくものの、
それぞれの主義のために次第に対立していくという流れ。
仲良しが対立する展開好きな自分としては楽しめましたが、
話の展開で引っかかる部分もありました。

まずプロローグが信長を狙撃するところから始まるので
信長がラスボスかと思っていたのですが、
作中での信長の扱いがかなり軽かったのは拍子抜けですね。
三兄弟対立の遠因にはなっているのですが、
あくまで脇役レベルの出番しか与えられてません。
そのせいで読み終わってみるとプロローグと
エピローグが繋がっていないような印象を受けました。
三兄弟の生き様がメインなんだから
プロローグも三兄弟の話で良かったような気が。

そんな感じで全体を見るとちぐはぐな部分もありますが、
孫市の名前をピックアップしたのは新鮮でしたし、
三兄弟だけでなく親父の立ち回りも面白かったです。
歴史小説というには追加設定が多いですが、
そこは史実での経緯がよく分からない雑賀の設定を
妄想で補ったと思うことにしましょう。

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