FC2ブログ
2018/05/22

『ブラック・ヴィーナス 投資の女神』城山真一  感想


このミス大賞、大賞受賞作。
最初は受賞作だと知らないまま読み始めたのですが、
文章がこなれていてベテラン作家かと思っていました。

前半は黒女神と呼ばれる美女が様々な依頼人の
大切なものと引き換えに、株取引で儲けた資金を
依頼人たちに提供していくというのが基本的な流れ。
依頼人はお菓子屋の社長や歌手の父と面白い設定が多く、
話の方もお金を渡して終わるだけではなく
依頼人に隠された謎に踏み込んでいくといった感じで、
短編として非常に綺麗に纏まっていたと思います。
このせいでベテラン作家なのかと思ったんですよね。

後半は国家規模の経済謀略の話になっていくのですが、
こちらの方は前半と比べると少し大味でした。
黒女神に隠された過去は面白かったのですが、
企業買収阻止の流れはかなり運任せだった感が。
結果的に敵対者だった中国が自滅した印象が強いです。
浮気政治家が痛い目を見たのは痛快でしたけどね。

そんな感じで荒い部分はあったものの、
株取引の説明はくどくならず分かりやすかったですし、
話の方も面白かったので次回作には期待したいところ。
どちらかというと壮大な長編よりも
短編での切れ味が光る作家さんなのかもしれませんね。

コメント

非公開コメント