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2018/05/10

『風屋敷の告白』藤田宜永 感想

風屋敷の告白 (新潮文庫)
藤田 宜永
新潮社 (2015-10-28)
売り上げランキング: 935,120

定年退職後の再スタートの仕事として探偵を選んだ
二人の老人が事件を追うまったりとした探偵小説。

全体的に中途半端なのが特徴といいますか。
老人二人が探偵事務所を開いた動機は軽めですし、
初仕事で死体を見つけてシリアスになる…ということもなく
マイペースに真相に向かって調査していきます。
重過ぎず軽過ぎずといった感じで強い魅力はないものの、
事件自体は調査すればするほど複雑になっていくので
だらだらと最後まで読まされてしまいました。

一歩間違えれば途中で読むのをやめてましたけど、
そこをしぶとく読ませたところには老獪さを感じますね。
衝撃の展開!というものはなかったんですけど、
情報を小出しにして読者を釣るのが上手い。
老人二人も内心では結構焦ったりするんですけど、
外面は終始沈着冷静なところはまさに年の功。

ラストにしても事件を解決するというよりは
関係者が上手く治まるように調整したという感じで、
経験豊富なサラリーマン的な着地点と言えなくもない。
探偵の物語というよりは、サラリーマンが難しめの
プロジェクトを成功させる物語に近いかもしれませんね。
探偵小説としては少し物足りなさを感じますが、
他とはちょっと変わった雰囲気は楽しめる作品でした。

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