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2018/03/29

『記憶破断者』小林泰三 感想

記憶破断者
記憶破断者
posted with amazlet at 18.03.29
小林 泰三
幻冬舎
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記憶が数十分しか持たない前向性健忘症の主人公と
記憶を操作する超能力者の戦いを描いたサスペンス小説。

記憶がない状況が当たり前な主人公ですが、
逆に操作された記憶だけが鮮明に残ってしまうせいで
敵の能力に唯一気付くことができるという設定は面白い。
主人公がすぐ記憶をなくすせいでそのたびに
まずノートで状況を把握する流れを繰り返すわけですが、
敵に狙われているという状況のせいで
何度繰り返しても緊迫感があるのは良かったですね。

超能力者との対決も面白かったのですが、
この小説の本当の面白さはそれらの全てが
最後にひっくり返されてしまうところでしょう。
自分が書いていた日記を手がかりに戦っていたはずが
そもそも日記は別人が書いていたとなると
もう何を信じていいのか分からなくなります。
今まで主人公が感じていた不安を
最後の最後で読者にも叩きつけてくる展開が憎い。

色々とはっきりしない謎が残ったままですが、
改めて読み返すと新たな発見がありそうですし
他の作品とのリンクもあるようなので
また他の作品を読んでから再挑戦したい作品ですね。

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