2018/03/06

『僕たちのアラル』乾緑郎 感想

僕たちのアラル
僕たちのアラル
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乾 緑郎
KADOKAWA (2017-09-29)
売り上げランキング: 241,104

社会実験が行われているドームの中を舞台にしたSF小説。

将来の惑星移住のため、隔離された空間で
15万人が生活しているという舞台設定は面白い。
ただ、そこで起こったテロに青年が巻き込まれ、
苦い思い出とともに成長していく物語かと思いきや、
思ってたよりドロドロした方向へ進んだのは意外でした。

ともかく出てくるキャラクターたちがゲスばかりで、
父親は家族のことを欠片も愛していないですし
ヒロインにいたっては平気で人を殺すサイコパス。
そういうキャラクター設定が悪いという訳ではなく、
そんなヒロインに何故主人公が惹かれているのか、
いまいち説得力が感じられなかったです。
このお年頃の初恋なんてそんなもんかもしれませんが。

しかし主人公の親友までゲスなのには笑いましたね。
最初はギャルゲーの親友的な立ち位置だったのに
主人公の立場が悪くなると絶交したり、
彼女にストーキング行為してたりホントろくでもない。
彼女の方は普通にいい子だったのにあっさり死ぬし
なんかもう嫌がらせのような後味の悪さですよ。

ただ、閉鎖空間での世代交代による意識の変化や
テロ組織の変質など、話としては面白かったですし、
人間関係のグチャグチャっぷりを覚悟して読むのなら
普通に楽しめるSF小説なのかもしれません。

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