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2018/03/04

『ライオン・ブルー』呉勝浩 感想

ライオン・ブルー
ライオン・ブルー
posted with amazlet at 18.03.04
呉 勝浩
KADOKAWA (2017-04-27)
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田舎の交番のお巡りさんを主人公にしたハードボイルド小説。

お巡りさんのハードボイルドというと違和感がありますが、
そこに田舎特有のドロドロした人間関係を挟むと
意外としっくり来るのが面白かったです。

事件の発端は一人のお巡りさんの失踪事件。
彼の親友だった澤登は彼が勤めていた交番に着任し、
何かを隠してそうな同僚たちと仕事していくのですが、
そこで新たな殺人事件が発生し…というのが序盤の流れ。

交番の同僚の一人である晃光がいいキャラしています。
犯人なのか、共犯なのか、それとも無罪なのか、
終盤まで上手く混乱させてくれるトリックスター。
物語が緩みかけるたびに登場しては思わせぶりな行動で
物語を引き締めてくれる存在です。

田舎で大地主が権力を持つのはよくありますが、
権力があるのは警察官も同じ。
特に地域と密接に結び付いたお巡りさんであれば
協力者を得て犯罪を揉み消すことも容易い。
そんなお巡りさんという立場で地元を守るために
手を汚せるか…というのがこの作品のテーマですね。

最終的に澤登は手を汚す方向に進むわけですが、
最初はどこか投げやりだった澤登が
強い意志で道を選ぶという終わり方なため、
正義と反する結末にもかかわらず爽快感がありました。
呉さんの作品は序盤の掴みのよさに反して
終盤小さく纏まってしまう感が強かったのですが、
今回はしっかり最後まで突き進んでくれました。
次回作も楽しみです。

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