2018/02/04

『電王』高嶋哲夫 感想

電王
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posted with amazlet at 18.02.04
高嶋 哲夫
幻冬舎 (2016-12-15)
売り上げランキング: 540,926

プロ棋士と将棋ソフトが対戦する電王戦をテーマにした小説。

…と書くとソフトの進化がメインのように感じられますが、
実際は現役最強棋士とソフト開発者の二人が幼馴染で、
彼らの友情描写がメインになっています。

中盤まではバランスが取れてたんですよね。
幼馴染二人の友情を描写しつつ
最近のソフト業界の流れにも力を入れていて、
人間とソフト両方の可能性を感じさせてくれるような
作品になるかとワクワクさせてくれる展開でした。

それだけに終盤が人間描写に偏ってしまったのが残念。
特にラストの棋士とソフトの対決シーンで
ソフトの代わりに開発者が打ち出したのには呆れました。
将棋から数十年離れていた開発者が打つのは無茶があります。
ソフト開発とはなんだったのか…。

一つ前に読んだ鳴海さんの『全能兵器AiCO』が
あくまで人間とAIの対決に拘ったのとは悪い意味で真逆。
人間と機械の対決では人間に勝って欲しいとは思いますが、
機械を作る人間には機械の可能性を信じていて欲しい。
それをやったのがAiCOで、信じることが出来ずに
サクッと出番を奪ってしまったのが本作です。

ラストの展開が受け入れられるのなら
そう悪い作品ではないでしょうけど、
個人的にはずっこけさせられる展開でした。

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