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2018/01/28

『泣き虫弱虫諸葛孔明 第伍部』酒見賢一 感想

泣き虫弱虫諸葛孔明 第伍部
酒見 賢一
文藝春秋
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酒見賢一さんのヘンテコ三国志もこれにて完結。

三国志の代表人物たる劉備も曹操も既になく、
物語の進行はいよいよ孔明の双肩に委ねられることに。
本作の内容は孔明の南征と北伐メインということもあって
今回の孔明は主人公に相応しい活躍を見せてくれます。

とはいえ、最初に比べると酒見さん特有の悪ノリは薄れ、
既存の物語に近い内容になってしまったのはちょっと残念か。
南蛮相手の南征はまだコメディちっくなノリでしたけど、
失敗すると分かっている北伐を軽いノリで描くのは
流石の酒見さんといえど難しかったのかもしれません。

しかしそれでも三国志という題材のポテンシャルもあって
楽しめる作品に仕上がっているのは確かです。
特に司馬懿の手強さはきっちり描かれていましたね。
孟達を討つ際の手際の華麗さは頭おかしいレベル。
まあそれでも孔明に走らされるのですが。

若干パワーダウンを感じさせる最終巻でしたが、
最後の、孔明の本職は政治家で北伐は無謀だったとしても、
この北伐があったからこそ輝くという結論には目から鱗。
孔明的には蜀を維持するための悪足掻きだったんでしょうけど、
これがなければ三国志の後半はもっと味気ない物語に
なっていたでしょうし、一人の読者として
孔明の行動を肯定してあげたくなる作品でした。

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