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2017/11/02

『復讐屋成海慶介の事件簿』原田ひ香 感想

復讐屋成海慶介の事件簿
原田 ひ香
双葉社
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復讐屋を営む成海のもとに持ち込まれる数々の依頼。
復讐屋を名乗るだけあって依頼人は復讐を望むわけですが、
この作品の新鮮なところは成海の本当の目的が
依頼人に復讐を諦めさせることだという点ですね。

依頼人を時には真摯に説得し、時には嘘情報で騙して
復讐を諦めさせるそのスタイルはなかなか痛快。
ターゲットの駄目なところを暴いて依頼人に
「復讐するまでもない」と思わせる手法は面白いですね。
説得の方で言っているのはごく普通の正論なのですが、
語り口がハキハキしているので読んでいてスッキリします。

事件は遺産争いや盗作など、殺人まとでは行かずとも
そこそこ真面目な事件ではあるのですが
雰囲気はコメディちっくなので気楽に読めました。
主人公である成海も助手である美菜代が
基本的にはお気楽な人物というのも大きいです。

ただ、メインの二人にしても依頼人にしても、
真剣な悩みや過去があるという点では同じで、
それをどう乗り越えるかがこの作品のテーマでもあります。
特に成海の過去は彼が復讐を否定する要因になっていて、
単なる綺麗事では終わらない重さがありました。

ただ、成海が言ってることも結局は感情論なので、
同じぐらい重い過去を持った復讐者が現れたときに
どう対応するのか、ちょっと見てみたかったり。
果たして平行線を歩むのか、それとも復讐を許すのか。
そこらへんを掘り下げる続編が読みたくなる作品でした。

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