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2017/10/26

『決戦!本能寺』 感想

決戦!本能寺
決戦!本能寺
posted with amazlet at 17.10.26
葉室 麟 冲方 丁 伊東 潤 宮本 昌孝 天野 純希 矢野 隆 木下 昌輝
講談社
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本能寺の変について7人の作家が書いた短編集。

特に面白かったのは伊東潤さん、木下昌輝さん、冲方丁さん。
伊東潤さんと木下昌輝さんの作品はどちらも復讐譚ですが、
伊東さんの織田信房の話はマイナーな人物を抜擢して
本能寺の真相に結び付けたのに対して、
木下さんは細川幽斎という大物を扱っているのが正反対。
しかしどちらも復讐へ致る心情描写は見事でしたし、
信長の覇王の孤独を描いているのも面白い共通点でした。

冲方さんは明智光秀という主役級の素材担当でしたけど、
光秀の心情描写をゴリゴリ掘り下げていて良かったです。
平穏に生きていた光秀が信長という劇薬に魅せられ、
その姿を必死で追い続けた結果があの謀反という悲しさ。
信長の優しさがこの事態を生んだという救いのなさも良い。

逆に微妙だったのが天野純希さん。
島井宗室という商人が主人公でしかも一人称という
挑戦的な内容でしたが、いまいち盛り上がりに欠けました。
「一般人から見た本能寺の変」みたいな部外者メインの
短編集だとこれはこれで面白かったと思うんですけど、
今回は他が積極的に変に関わっていく話ばかりでしたからね。
宮本昌孝さんの家康も微妙に部外者でしたけど
まあ家康公には伊賀越えという十八番がありますし。

とはいえ微妙と書いた天野さんの話も
あくまでこの中でというだけで一気に読めましたし
全体的にクオリティの高い短編集だったことは確かです。
こういう多人数短編集だと信長にしても光秀にしても
バラバラな描かれ方をしているせいで直前に読んだ話とは
180度キャラが変わったりするのが楽しいですね。

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