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2017/10/05

『戦国24時 さいごの刻(とき)』木下昌輝 感想

戦国24時 さいごの刻(とき)
木下 昌輝
光文社
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戦国時代の有名武将たちの最後の24時間を描いた短編集。
どの短編も残り時間がカウントダウンされるので
終始緊張感を持って読むことが出来るのが特徴です。

どの作品も木下さんらしい意外性に満ちた
着眼点と着地点が魅力なのですが、特に気に入ったのは
「お拾い様」と「山本勘助の正体」ですね。

「お拾い様」はタイトル通り豊臣秀頼の物語ですが、
このタイトルからして既に伏線になっているのはお見事。
秀頼を溺愛する淀君という定番といえる描写が
最後の最後で一気に反転するのにはやられました。
バッドエンドなのに上手く騙された爽快感が凄いです。

「山本勘助の正体」は山本勘助の正体が不明ということを
逆手にとって背筋が寒くなるような展開を見せています。
山本勘助が架空の存在というところまでは
読めたんですけど、そこから架空の存在だからこその
怖さを掘り下げて行くのは予想外でした。
存在しない山本勘助を殺す方法もよく練られています。

他にも伊達政宗が父を殺すまで、今川義元が討たれるまで、
足利義輝が斬り死にするまで、徳川家康が亡くなるまでと、
ヒリヒリするような24時間が楽しめる作品ばかりでした。
この死ぬまでの24時間というシチュは美味しいので
またネタが浮かんだら他の人物でも書いて頂きたいです。
織田信長とか既出過ぎてやりにくそうですけど、
だからこそ木下さんがどう料理するか見てみたいですね。

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