2017/04/28

『ブレイン・ドレイン』関俊介 感想

ブレイン・ドレイン
ブレイン・ドレイン
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関 俊介
光文社
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テストによってサイコパスが隔離されるようになった世界で、
サイコパス判定試験に引っかかってしまった主人公が
なんとか真っ当な世界へ帰ろうと足掻くSFアクション小説。

前半の舞台である危険人物だけが隔離された島の
スラムっぷりはなかなか緊張感があって面白いですね。
単純に治安が悪化してモヒカンが徘徊しているような
世界観は近未来SFではよくありますけど、
一つの島がサイコパスの溜まり場というのは珍しいかも。

ラスボスもザ・サイコパスって感じで良かったですね。
人を騙して傷付けることを心底楽しんでるのが
伝わってきましたし、それでいて狡猾さも持っているので
絶対に出会いたくないタイプと言えるでしょう。

ただ、主人公は物足りなかったです。
お人好しで実に主人公らしいタイプではあるのですが、
設定で精神異常を扱っている割には普通過ぎでした。
殺意を読むという能力の使い方は面白かったですけどね。
どうせなら主人公もサイコパスか、サイコパスほどでなくても
性格的に何らかの異常なところがある人物だったら
もっと深い作品になったような気がします。

本作のサイコパス判定試験は結果的に穴があったわけですが、
近い未来、脳の仕組みが解明されれば判定は可能でしょう。
しかしいざ可能になったときどう対応するかについては
今から考えておいた方がいいのかもしれませんね。

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