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『漆黒の象』海野碧 感想
漆黒の象
漆黒の象
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海野 碧
光文社
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2つの奇妙な親子関係を扱った探偵小説。

自分が提供した精子から生まれた
5人の息子を探して欲しいという依頼は面白いですね。
依頼主である社長夫婦も何か隠していそうで先が気になる。
それに加えて主人公の過去に多大な影響を与えた
母子惨殺事件の真相も絡んできたりして、
序盤はなかなか複雑な展開を見せてくれます。

しかし最後まで読んでみると思っていたよりも
これら二つの事件が絡んでいなかったような印象でした。
特に息子捜索の方は序盤の謎が謎を呼ぶ展開の割に
拍子抜けのオチで、これなら息子の数を減らして
短編小説として書いた方がすっきりしたような気がします。

一方、母子惨殺事件の方はしっかり推理していて、
事件に隠されていた真相は面白かったですし、
話の重要な鍵となる青年・哲也の使い方や
主人公の過去と事件の関係などが
綺麗にオチに繋がっていたのは対象的でした。
とはいえ、これもボリューム的には中編レベルですが…。

なんだか、二つの作品を混ぜて長編に仕立て上げたものの
融合が上手く行かずに空中分解したような作品でした。
最初から短編集として出せばまた違ったかもしれません。

テーマ:読書記録 - ジャンル:小説・文学

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