2017/02/16

『新選組颯爽録』門井慶喜 感想

新選組颯爽録
新選組颯爽録
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門井 慶喜
光文社
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門井さんによる新撰組を題材にした短編連作集。
内容としてはメジャーな人物の短編が3本、
マイナーな人物の短編が3本の計6本になっています。

メジャーな人物は他の作品でも散々書かれているので
独自の描写を出すのが難しいところはありますが、
剣術下手で戦闘力の低い土方や、山南と沖田の関係など、
面白い掘り下げ方をしていて楽しむことが出来ました。
芹沢の暗殺についてはこれまた使い古された素材で
本作でも特に目新しい展開もなかったのですが、
それでも面白いのは芹沢という人物の魅力ゆえですかね。
新撰組序盤の障害としてはこれ以上ない存在感ですし。

一方、マイナー人物側は凡人から見た新撰組という感じで
それぞれ登場人物をより自由に掘り下げています。
安富才助、村山謙吉、尾形俊太郎と各主人公を並べてみても
新撰組に詳しい人でなければまず分からないのでは。
しかしどの人物も地味なりに自分の生き方を貫いている点が
評価されているので、読後には爽快感が残りました。

特に尾形俊太郎の物語は痛快でしたね。
思想もなく給金目当ての文官として新撰組に入り、
度胸も機転もないせいで周囲に馬鹿にされながらも
ひたすら真面目に文筆仕事に励んだ結果が
近藤に評価されるというのはやっぱり気持ちいいです。
そして安定の悪役・武田観柳斎。
この人がかっこよく書かれる時代は来るのだろうか…。

新撰組の本を読む前にはいつも今更感を持つのですが、
読んでみるとなんだかんだで面白いですし、
きっとこれからも読み続けることになるんでしょうね。
本当に美味しい素材だと思います。

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