2017/01/21

『情け深くあれ 戦国医生物語』岩井三四二 感想

情け深くあれ 戦国医生物語
岩井 三四二
文藝春秋
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戦国時代の医師を主人公にした珍しい時代小説。

主人公は戦国時代の名医・曲直瀬道三の弟子で、
前半は京都を舞台に忙しい日々を送ることになります。
医師として生活するうちに明智光秀と知り合い、
信長の行動の影響を間接的に受ける描写は面白い。
光秀による延暦寺の焼き討ちや丹波侵攻など、
今まで歴史小説では何度も見たことのあるイベントも
医師の視点だとまた変わった趣きがありますね。

主人公の元武士という設定は医師でありながら
アクションシーンもこなせるのでとても便利です。
武士としての殺し合いに嫌気がさして
医師を目指したという過去もとても分かりやすいです。

ただ、最後のオチは流石に虚し過ぎるような。
過去を捨てて本物の医師として歩き始めた
主人公の決意は立派ですが、それはそれとして
主人公の過去の真相が厳し過ぎると思いました。
せめて最後に嫁が生きていたらなぁ。
終わり方は爽快なんですけど、そこへの経緯がきつくて
読後感も重くなってしまったのがちょっと残念です。

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