2016/12/14

『人生に七味あり』江上剛 感想

人生に七味あり (徳間文庫)
江上 剛
徳間書店 (2013-12-06)
売り上げランキング: 277,288

40代半ばにして勤め先の銀行が吸収合併され、
大手飲食チェーン店の社長として再就職した主人公。
しかしいざ入社してみると既に会社はボロボロの状態で、
元同僚であるはずの銀行さえもが敵に回り…。

という感じで、江上さんの今回の小説は
雇われ社長による企業再生の苦労を描いた物語。
重役での天下りというと一般的には気楽なイメージですが、
貧乏くじを引いてしまうと酷いことになるんですね。

フランチャイズ商法について、親側と子側それぞれの
メリットデメリットが見えるのは興味深かったです。
権利やノウハウといった実体のないものをを売るだけで
どんどんお金が入るんだからばら撒くのも分かる。
その後に店舗を成功させることを考えなければ
これほど簡単に儲かる商売もないでしょうね。

主人公のやってることは損失の隠蔽ですし
株主にとっては裏切りに近いようにも見えますが、
経営者側としては少しでも復活の可能性が残っている限り
いい情報だけ出して資金を集めようとするのも分かる。
今回は起死回生の一手が成功しましたけど、
失敗していたら詐欺師として報道されていたでしょう。

しかしあれだけ強気に出ていた銀行が
大手企業との提携を成立させた途端に土下座するのは痛快。
とはいえ、主人公もペコペコ頭を下げながら
裏では相手のことを欠片も敬っていなかったですし、
経済活動での頭の軽さも思い知らせてくれる作品でした。

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