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『一千兆円の身代金』八木圭一 感想
一千兆円の身代金 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
八木 圭一
宝島社
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元副総理の孫が誘拐されたことから始まるサスペンス小説。

少年の無事と引き換えに日本政府に要求されたのは
一千兆円という途方もない額の身代金か、
今まで国が借金を重ね続けたことに対する公式な謝罪。
このスタートラインは新鮮で面白かったのですが、
肝心の話の内容は割と普通のミステリーという印象でした。

国の借金というのが動機になっているだけあって
これまでやこれからの日本の経済について
あれやこれやと薀蓄や主張を繰り返しているのが特徴です。
正直、これらの主張に頷ける部分は結構あったりするのですが、
それで物語として面白いかどうかはまた別の話。
こういう考え方をする自分も作中で批判されているように
国政を他人事として見ている愚かな国民なのかもですが。

視点がコロコロ変わる割には読みやすかったですし、
誘拐事件についても一通り纏まってはいますが、
先が読みやすいので盛り上がりに欠けたのはマイナスか。
誘拐犯の主張は凄く熱いんですけど、
それが物語としての面白さに繋がっていないせいで
読んでいる側としては余計に冷めてしまった気がします。
やっぱりこれだけ強力な主張を盛り込むなら
物語もそれに負けないぐらいの勢いが必要ですね。
全体的に空回りが目立つないようだったと思います。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

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