2016/09/17

『悔いてのち』永瀬隼介 感想

悔いてのち
悔いてのち
posted with amazlet at 16.09.17
永瀬 隼介
光文社
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後悔を抱えた男たちがそれぞれ過去のツケを払わされる話。

ストーリー的には妻を失った元刑事の行動をメインにしつつ、
悪のカリスマ、落ち目の政治家の執事という二人の過去を絡ませ
一つの結末を描いていくというものだったのですが、
この三人の中では執事の生き様が突き抜けていた反面、
他の二人の個性が薄くなってしまった感があります。

一番描写が多かったのは刑事についてですし、
彼が抱える過去への後悔も凄く伝わってきたのですが、
後悔について多く語らず綺麗に旅立った執事と比べると
どうしても地味で情けなく感じてしまうんですよね。
それだけ執事の立ち振る舞いが見事だったということですが
作品としては少しバランスが悪くなってしまった気がします。

しかし刑事以上にダメだったのが悪のカリスマ。
冒頭の語りには引き込まれたものの、ここがピークでした。
彼を知る者からは散々持ち上げられてはいたものの、
肝心の本人の人格がチンピラと変わらないレベルでしたし…。

ただ、物足りない部分もあったものの、
秘書、執事として政治家を支えた老人の凄みは味わえましたし、
老執事萌えな人なら一読の価値のある小説だったと思います。

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