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『狂信者』江上剛 感想
狂信者 (幻冬舎単行本)
幻冬舎 (2014-12-19)
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年金運用のガバガバっぷりをテーマにした経済小説。

架空の運用実績を見せれば次々と年金を預けてくれる、
と書くとそう簡単にいくものなのか胡散臭いですが、
これと同じことを実際にやったのがAIJ投資顧問の事件。
当時はニュース等で大きな話題になりましたし
他でも同じことがあるようなことを言われてましたけど、
いつの間にか忘れ去られてしまったような。
この小説は久々にそのことを思い出させてくれました。

ただ、小説としては微妙な部分もあります。
経済小説のベテランである江上さんだけあって
年金消失の流れは分かりやすく書かれているのですが、
人物描写やストーリーについてはちょっと雑な印象です。
投資顧問のボスである湯浅のカリスマについては
作中の描写だけではイマイチ感じられなかったですし、
事件を追う記者・美保が取材よりも個人的なコネを使って
金融庁を動かしているように見えるのもスッキリしないです。

湯浅の正体についてはミステリーとして面白かったものの、
テーマである年金運用からズレていることもあって
作品全体としてはバランスの悪さを感じさせられました。
こういう仕掛けは経済小説とは相性が悪いのかも。

年金についての危機感を煽られたのは確かなんですけど、
それ以外にもモヤッとした部分が残る作品でした。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

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