2016/09/01

『BALDR HEART』 感想

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戯画のバルドシリーズの最新作『BALDR HEART』の感想です。

体験版をプレイした際には、今までのシリーズと比べて
学園物に近い導入部のせいか温そうな印象を受けたのですが、
なかなかどうして、後半は骨太なSFストーリーでした。
フォースやスカイの設定が好きだった故に
体験版をプレイして不安を感じていた方々は安心していいかと。

SF設定だけではなく、ルートをクリアするごとに
少しずつ真相が暴かれていくというシナリオ構成や、
数々の伏線によるどんでん返しの潜むストーリーも健在。
今回も最後の最後まで目が離せない作品に仕上がっています。

ゲーム部分についても多分問題なし。多分。
いやもう最近は昔ほどゲームをやり込まなくなりましたし
今回のバルハも低難易度を軽いコンボでクリアした程度ですが、
ダラダラとドンパチしてるだけでも結構楽しめました。
流石に戦闘システムは熟練の粋にありますね。
やり込みはじめると粗が見えるかもしれませんが、
そこらへんを研究するのは他の方々にお任せします。

そんな感じで単品で見ると高評価になる今作ですが、
フォースやスカイと比べると足りない部分もあったり。
個人的に足りなかったのは大きく分けて二つ。
まず一つ目はキャラの個性ですね。
今回は主人公、ヒロインともに薄味だったような気が。
主人公はよくいる無個性系だと思えばいいですけど、
ヒロインが突き抜けた魅力を持っていなかったのは痛い。
今までのヒロインはもう少し特徴的だったと思うのですが…。

もう一つは主人公の立場。
バルドシリーズといえばルートごとに
主人公の立場が大きく変わるのが魅力だったのですが、
今作ではどのルートでも同じ立場だったのが物足りないです。
この影響は個別ルートの作り方にも出ていて
序盤の月詠ルートはネタバレを抑えているせいで
非常にあっさりとした内容になっている反面、
全てが明かされる凪ルートは凄く濃い内容になっているという
個別ルートのバランス崩壊を招いています。
一本の話としては面白かったんですけど、
複数ルートのあるエロゲーとしては難があったのは確かかと。


まとめ。
自分は体験版プレイ時に「大丈夫か?」と思っていた組ですが、
終わってみるとしっかりバルドしている作品でしたね。
謎が謎を呼ぶストーリーと安定感のあるシステムのおかげで
SF+アクション好きにとっては美味しい作品に仕上がっています。

一方でフォースやスカイと比べるとあっさりしている面も多く、
あのレベルを期待してしまうと物足りなさを感じるのでは。
今回は分割2本ではないですし、作品の規模では
スカイに劣るのは仕方がないというのも分かるのですが…。

とはいえ単体で見れば楽しめる作品でしたし、
バルドシリーズが健在というのは長年エロゲーをプレイしている
エロゲーマーにとってはそれだけでも嬉しいことなのです。
次回が何年後になるか分かりませんが、
その頃も元気にエロゲーをプレイしていたいものですね。

以下ネタバレ。

凪ルート長過ぎぃ!

いやまあこの内容ならこの長さでも仕方ない気はしますが、
シナリオチャートの長さの違いを見てるとジワジワ来る。

まあそれはそれとして色々惜しい面のある作品でしたけど、
やっぱり一番惜しいのはキャラの薄さかなー。
普通のエロゲーと比べてシリアス寄りな作品ですし、
ぶっ飛んだ個性を出しにくいのは分かりますけど、
もう少し設定と絡めればなんとかなったような気もします。
例えば茉緒なんかはもっと学装隊信者っぽくして
そこから自分なりの道を見つけていくシナリオにするとか。
ユーリのセクサドール設定も凄くあっさり描写されていますし、
全体的にキャラ掘り下げについては淡白だった印象。

シナリオは今回も謎だらけで凝っていたんですけど
主人公と凪はそのせいで描写が薄くなった気もします。
凪がメインヒロインなら主人公と凪のファーストコンタクトで
もっと強く過去の関係を匂わせても良かったと思います。
主人公にしても量産型クローンという設定ももっと早く出して
クローンとの戦い続けるうちに自己確立して行くような流れなら
これほど無個性には感じられなかったのではないでしょうか。
ここらへんは設定の出し惜しみをしちゃった感があります。
最後にクローン祭りやるなら序盤からライバル役として
仮面のクローンを出しても良かったかもしんない。

親父やフレイヤ中尉の設定は好きですねー。
親を捨ててロボ化した末に親のクローンを育てるという親父や
亡霊になっても復讐に突っ走るフレイヤ中尉はSF全開って感じで
彼らを主人公にしたスピンオフを見たくなるぐらいです。

今回のライバル役は海東…と見せかけてカトウなのかな。
海東はとことん小者だったのが逆に新鮮でしたけど、
ロクに活躍の場を与えられなったのはちょっと哀れだったり。
逆にカトウは悪役としては非常に頑張っていたのですが、
赤ん坊乗っ取りの駄コラ臭が凄くて全てぶっ飛んだ印象。
あのせいでライバルとして認めたくない感がすげーですわ。

みさきさんはラスボスとして電子体幽霊ならぬ
電子体ゾンビという新機軸に挑戦していましたし、
いい感じでヤンデレっぽさも出せていたんですけど、
ラスボスモードのデザインが非常にかっこ悪いんですよね…。
ラスボスなりのカリスマが欲しかったところです。

なんだか不満点ばかりになってしまいましたけど、
それだけバルドシリーズへの期待が大きいってことですね。
今回だって買って後悔しないレベルには達しているのですが、
やっぱりこのシリーズには年間トップを狙える出来を
期待してしまうのです。

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