2016/07/02

『TATSUMAKI 特命捜査対策室7係』曽根圭介 感想

TATSUMAKI 特命捜査対策室7係
講談社 (2015-01-23)
売り上げランキング: 192,345

主人公である鬼切壮一郎は立派な名前とは裏腹に平凡な人間。
親戚に流されて警官になり、上司に流されて刑事になり、
犯人に流されて捜査一課に配属されてしまった彼が
竜巻のような上司の下で未解決事件に挑むというのが本作。

しかしタイトルになっている竜巻さんは
この手の作品としてはそれほどエキセントリックではないかな。
現実ではありえないようなキャラとはいえ、
創作としてはごく普通の横暴で有能な上司という感じです。
むしろキャラクターとしては、同じ課の脇役組である
おっさん刑事たちの方が面白かったかもしれません。

でも話の方は面白かったです。
過去の事件を掘り返して行くうちに現在でも事件が起こり、
それらが綺麗に絡み合って真相を見せる構成はさすが。
全体の構図はシンプルな事件なのですが、
事件を追っている間は物凄く複雑に感じられました。
曽根さんの作品は毎回構成が凝ってて引き込まれます。

事件自体は救いのないオチだったのですが、
担当する刑事たちのノリが軽いのはブラックジョーク的。
新米である主人公にとっては酷い事件なんですけど、
ベテラン刑事たちにとってはよくある事件ということか…。
もっとも、そのおかげで読後に引きずるものは少ないですし、
こういうブラックさが売りの作家さんでもあるんですけどね。

コメント

非公開コメント