2016/05/21

『可視(み)える』吉田恭教 感想

可視(み)える (本格ミステリー・ワールド・スペシャル)
吉田恭教
南雲堂
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とある幽霊画の作者捜索の依頼を受けた探偵。
無事、作者を突き止めることには成功したものの、
その後作者が自殺したことから今度は死亡原因を調べることに。
更に時同じくして都内で連続猟奇殺人事件が発生。
二つの事件は予想外のつながりを見せ始め…。

という感じの小説なのですが、冒頭はホラー風で、
とにかく幽霊や呪いといった超常現象を強く推してきます。
そういこともあって最初の方は何だかホラー小説を
読んでいるような気分になったのですが、
終わってみると真っ当なミステリー小説でしたね。

本作は幽霊画方面を探偵が、猟奇事件を女刑事が追うという
2視点を交互に進めて行く構成になっているのですが、
どちらの視点でも先が気になる展開になっていましたし、
この2つが終盤一気に結び付く展開も爽快感がありました。
探偵が地道に画家の過去に迫っていくのに対して、
女刑事の方は犯人かと思われる人物が次々現れるという
異なった雰囲気なのは2視点を生かした上手い構成ですね。

基本的には良くできた話だったと思うのですが、
一点だけ気になったのは犯人の告白シーンの長さ。
複雑な事件だったこともあってめっちゃ喋ってくれます。
いやまあ複雑な事件でしたしここで説明しないと
チャンスがなくなるのは分かるのですが、
それにしても長過ぎてそこが印象に残ってしまいました。

とはいえ、ホラー風な導入からミステリーとしてのオチ、
そして爽やかな結末に繋げた面白い作品だったのは確かです。

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